「本はどうして読んだがいい??」〜あなたならどう答える〜

「本はどうして読んだ方がいいの?」と
小学生に質問されたら、私は何と答えるだろうか…。
ふと、その言葉が頭の中をよぎった。
語彙力がつく、想像力が増す、文章力がつく、勉強に役立つ。
ありきたりな答えが頭の中を駆け巡る。
その反面で
こんな一言が降りてきた。
「味のある人になれるぞ!」
そう答えれば
「味のある人とは?」とさらに疑問が湧いてくるに違いない。
その後は、こう切り返す!
「スルメのような人!」
「スルメって、見た目は薄くて地味な印象の食べ物だけど、噛めば噛むほど味が出るだろ!
人はさ、見た目だけカッコつけても中身がなかったら、面白くない。
逆に、見た目がパッとしなくても、知れば知るほど面白味のある人の方が気になるだろ?」
「どんな本でも、読めば知らないことを知ることができる。新しい感覚を感じることができる。
簡単に言えば、人間の幅が広がるんだよね。」と、話をくくる。
我ながらに上手いこと思いついたな!と、1人ニヤついてしまう。
私には6歳になったばかりの息子がいる。
絵本が好きで、保育所や図書館から絵本を借りてきては、読み聞かせをしてほしい!と、せがんでくる。
つい先日
「今日はこの本を読んで」
と、一冊の本を手渡し、彼は私の膝の上に腰掛けてきた。
読み応えのあるいい味の本だった!
追伸
先日、男子高校生からこんな質問をされた。
「やっぱり、本は読んだ方がいいんですか?」
私は即答した。
「読みたくないなら、読まない方がいい!
読みたくなったら、読めばいい!」
…
「ちなみに、この本なんかは君にピッタリかもね!」
と、一冊の本を手渡した。
そのお話は、また後日。
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書き手:井手良平
1984年生まれ
長崎市出身 福岡大学経済学部卒
20歳まで本は全く読まなかった…。
『まず、人を喜ばせてみよう』清水克衛著(書店 読書のすすめ 店主)との偶然の出会いがきっかけで、本の魅力に引き込まれる。
大学卒業後、東京の会社に就職したものの、約2年後に退職し、書店 読書のすすめのスタッフとなる。
人呼んで「本のソムリエ」と言われる店主の元で学び、
毎日、全国各地から来店されるお客さんの接客をする中、本のソムリエの生き方を学ぶ。
その後、実家がある長崎へ帰省し、午前中は家業である蒲鉾屋を手伝いながら、午後は時々ではあるが、長崎市浜の町にある好文堂書店にて本のソムリエとして、お客さんへ本の紹介をしている。噂が噂を呼び、九州各地から来店されるお客さんも珍しくはない。
本の話は堅苦しい!というイメージとは裏腹に、緩くリアルなお客さんとのエピソード話や、ベストセラーではない素敵な本の話などが、面白い!と、学校や図書館、企業からも講演に呼ばれるようになる。