「水五則」の解説の素晴らしさ|『夢を叶える人の人間学』(七田眞著)をオススメする理由 | ワンダーノート

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「水五則」の解説の素晴らしさ|『夢を叶える人の人間学』(七田眞著)をオススメする理由





以前から、大好きな言葉の一つでもあり、
Wonder Noteの経営理念の額の横に並べて飾っている「水五則」。
七田先生の原稿をまとめているときに発見したときは、とても嬉しく感じました。




そして、僕が今まで見たものの中で一番の解説でした。



『夢を叶える人の人間学』
第3章 学ぶということより


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いつの頃からか指導者層に広く親しまれてきた「水五則」という文献があります。著者は不明。中国の古い時代の文献です。「水五則」はその名の通り、五つの「則」からなります。



一、みずから活動して、他を動かしむるは、水なり。

これは「皆の先に立って手本を示すこと」と理解されていますが、より深い意味で「指導者はみずから進んで人の長所を見つけ、他を励ますこと」という意味を含んでいると考えられます。
人は一生のうちには自殺を考えたりすることがあるものですが、それは、自分が何の値打ちもない、生きるに値しないと思うことから発します。そういうことがないように、指導者は人の長所を見つけ励ますことが大事で、生きることを励ますのが指導者という意味です。



二、常におのれの進路を求めてやまざるは、水なり。

これは自分自身を導く言葉です。「いくら学が進んでも、思い上がりを捨てて、自分も不完全な人間であると謙虚に生きることが大切」と、人を教え、自分を教えることが大切と言っているのです。



三、障害にあって、激しくその勢力を百倍しうるは、水なり。

人生にはいろいろな障害があります。耐えきれぬほどの障害もあるでしょう。それらの障害を乗り越えるごとに人間は大きくなるものです。



四、みずから潔うして他の汚濁を洗い、清濁あわせいるる量あるは、水なり。

人生は清い一方では過ごせません。水清ければ、魚住まず、という諺があります。多くの人と交わっていくには、清潔公正だけではだめで、清濁あわせ飲む大きな器量が必要です。
人を教育する場合、この心がないと人を上手く導くことができません。他の人の不正を極端に嫌うと、皆から煙たがられる存在になります。
道教の教えの中に「和光同塵」という言葉があります。自分の光(才能や知恵)を隠し、和らげて、世間の人や習慣と交わるという意味です。



五、洋々として大海をみたし、発しては霧となり、雨雪と変じ霰と化す。凍っては玲瓏たる鏡となり、しかも、その性を失わざるは、水なり。

水はいろいろに姿を変えます。これは水の変身する力を述べたものです。

道教に「和光同塵」の思想があるように、わが国には「本地垂迹(和光垂迹)」という思想があります。
本地垂迹の思想は奈良・平安の初期に始まった、日本の神と仏教の仏との神仏同体説のことです。
観音様が苦悩する人々を救うために、三十三身に身を変え給うという観音経の教えも本地垂迹の思想です。

他を導く一念が自分自身を変えずにはおられなくなる知恵と慈悲心が大切と言っているのです。





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いかがでしょうか。
ネットで検索すると、黒田如水の「水五則」という風に書かれている方が多いですが、実際の所、作者はわかっていない格言です。

作者不明なだけあって、各人さまざまな解説を立てているのですが、
黒田如水が戦国時代の偉人だからか、
どの解説もどこか「強さ」「力」を感じていました。

しかし、七田眞先生の解説には「愛」を感じるんです。
教育者として、優しく子供達に「水五則」の意味を伝えている姿が浮かびます。



そして、今からの時代を生きる僕たちにぴったりな解説だと思います。



夢を叶える人の人間学 -七田 眞 成功の金言-